2019年04月19日
難聴者の活躍 ~放送ウーマン賞2018~
毎年、放送界で活躍し優れた功績をあげられた女性の皆様へ
日本女性放送者懇談会から「放送ウーマン賞」が贈られるそうです。
2018年度は2名に決定し、
そのお一人が聴覚障害者のNHKディレクター、長嶋愛氏です。
贈賞理由
幼いころからつけていた補聴器があれば
配慮は不要だと思っていた長嶋さん、
入局5年目には音声だけの会話が困難になり、
音声情報を文字にする通訳者とともに番組制作を続けています。
昨春に制作した『ETV特集 静かで、にぎやかな世界~手話で生きる子どもたち~』は、
おしゃべりな手話で話す子どもたちのキラキラした表情と
若者の人生を切り開く力強さをさわやかに描き、私たちを圧倒しました。
「ろうである自分が好き」と話す子どもたちは、
ありのままの自分を大切に成長しています。そこには真のダイバーシティが見えます。
これからも、長嶋さんだからこそ描ける世界を見せてくださることを期待し、
心からのエールを込めて、「放送ウーマン賞」をお贈りします。
受賞者挨拶
「10年前、取材もできず“窓際社員”のようなときに、聾学校で子どもたちに
『耳が聴こえなくてもテレビ局で働けるんだね』と紹介されました。
その時、心の中では
『聴こえる人にならないとディレクターになれないんだよ』と思っていましたが、
正直に言えませんでした。
自分が何とかしなければ変わらない、新しい道を作りたいと思い、
ディレクターをやりたいと言い続けてきました。
今、聴こえないままの自分が自由に番組をつくることができて、本当に幸せです。
今回のETV特集は、『共に生きる』とはどういうことか、
を考えてもらいたくて制作した番組ですが、
聴こえない自分と聴こえる制作チームが一緒になって制作したからこその
受賞だと思います。この受賞をきっかけに、
こういうディレクターがいる、ということを広く知ってもらい、
次の人たちにつながっていけばいいと思います。」
会場では、2020東京パラリンピックが近づいている中で、
多様な働く環境の中で多様な視点から生まれる企画が面白い
と思える社会になることが必要ではないか、
長嶋さんには、その新しい社会のあり方に向かって、
これからも大きなメッセージを発信してくれることを期待する、という声が聞かれました。
サイトはコチラです
http://www.sjwrt.org/award/award_2018.html#S01
Posted by 補聴器のぴあ at 11:53│Comments(0)
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