2018年12月13日
セルフ・アドボカシー
きこえづらいという特性をもちながら、
同じ学生として、患者として、人間として尊重され、
十分な情報保障を得るために…


「セルフ・アドボカシー」は、
アドボカシー(権利擁護)の一形態です。
アドボカシー(権利擁護)に、セルフ(自己)という語が加わることで
権利のために訴える行為を、誰か他の人にやってもらうのではなく、
権利主体である自分自身が行うという点が強調されています(橋本、1996)。
日本人は生まれながらにして基本的人権をもっています。
憲法の中では、個人の幸福追求の権利もうたわれています。
「すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
しかし、難聴者・聴覚障害者の中には、きこえづらさのため
十分な情報保障を得られず疎外感を感じる方も少なくなりません。
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学校で
先生との距離が遠い席で授業を受けている…。
騒がしい環境で4、5名でグループディスカッションをする… 。
このような環境下では
正しく調整された補聴器・人工内耳を使っていても
きこえに限界がでてきます。
先生の顔の表情や口元が見えるように近い席に変えてもらえるようにお願いしたり、
グループのメンバーにロジャーマイクを渡して使ってもらうようにお願いしたり、
自分に必要な支援を伝えることが大切になってきます。
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病院で
スムーズなコミュニケーションのために
お医者さまにはマスクをとって話してもらえるようにお願いしたり、
筆談も加えてもらえるようにお願いすることも必要かもしれません。
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補聴器・人工内耳をつけていると
「すべてきこえている」と思われる方もいるでしょうが、
聴力の程度、失聴した時期、難聴の種類、
聴覚トレーニング段階(フィッティング・マッピング)などは
人それぞれ異なっていて、きこえの状況は異なっています。
「補聴器・人工内耳をつけている」 =「全部よくきこえている」 ではないのです。
そして、補聴器・人工内耳をつけていない場合は
外から見ても難聴者だとはなかなか分かりません。
きこえづらい特性をもちながら、
同じ学生として、患者として、人間として尊重され、
十分な情報保障を得るために… 。



今後さらにセルフ・アドボカシーのスキルが問われるのかもしれません


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