2018年11月24日
「治療よりも教育を」 ド・レペ生誕360周年
ド・レペ
ド・レペはフランスの神父さん。
世界で最初に “ろう学校” を創立しました。
「手話言語」をはじめとする “ろう教育” を始め、
フランスのろう教育の歴史上、最も偉大な人物だといわれています。
その教育を視察したのは民間人だけではなく、王族もいました。
オーストリア皇帝ヨーゼフⅡ世をはじめ、
フランス国王ルイ16世、王妃マリーアントワネットらも臣従を引き連れて
ド・レペのろう教育を視察したといいます。
ルイ16世
マリー・アントワネット
本名はシャルル=ミシェル・ド・レペといい、
「ド・レペ神父」 として尊敬されていました。
フランスには、彼の名を冠した通りがパリやヴェルサイユにみられます。
ド・レペは、社会的・精神的に苦しんでいる庶民のために献身的に尽力していました。
47歳の頃、宗教的用事で知人の家を訪問した際に
初めて “ろうあ” の姉妹にめぐりあいました。
その出会いをきっかけに、ろうあ教育を試みようと決意したと伝えられています。
ド・レペと同時代のヨーロッパ各国には
ろうあ者への教育を試みた人がかなりいましたが、
そのほとんどは教育方法や金銭的な行き詰まりのため失敗におわりました。
また、その中にはろうあ教育の方法を自らの優位性や利益の確保のために
特定の人のみに伝えようとする人も多くいました。
しかし、ド・レペは、ろうあ者の教育のために
自分の収入と財産の大部分をつぎ込んで、死ぬまで教育を続けました。
教育方法も惜しみなく公開し、ヨーロッパの各国にろうあ学校の設立を勧めました。
これはド・レペの偉大な功績ですが、
もう一つの偉大さがありました。
それは、ろう者はろう者としての生き方を持つべきであるという思想でした。
ド・レペは、ろう者を教える人はろう者であるべきである、と唱え、
それほどろう者への思いが深い人でした。
今日はド・レペの生誕360周年を記念したGoogle Doodle になっています
Google Doodle (ド・レペ生誕360周年)